減圧弁,フート弁,チャッキ弁,水栓,バタフライ弁,ゲートバルブ,定水位弁等-種類,構造,用語

 

減圧弁/真空調整弁/背圧弁



バルブ用語において、”(1)名称に関する用語”の分類の中で、”(k)自動制御弁”に分類されている用語のうち、『減圧弁』、『真空調整弁』、『背圧弁』のJIS規格における定義その他について。

主として配管に用いられるバルブ(弁)に関して、バルブの名称(減圧弁、チャッキ弁、フート弁等)、バルブの形式(構造、弁箱、弁体、弁座、作動等)、共通事項(特性、流れ、寸法等)などについて規定しているバルブ用語(JIS B 0100)において、”(1)名称に関する用語”の分類の中で、”(k)自動制御弁”に分類されているバルブ用語には、以下の、『減圧弁』、『真空調整弁』、『背圧弁』などの用語が定義されています。

バルブ用語(JIS B 0100)
⇒【(1)名称に関する用語 > (k)自動制御弁 】


分類: バルブ用語 > (1)名称に関する用語 > (k)自動制御弁

番号: 11003

用語: 減圧弁(※1)

定義:
二次側の流体圧力を、一次側の流体圧力より低いある一定圧力に保持する調整弁。
減圧弁
減圧弁

対応英語(参考):
pressure reducing valve

慣用語(参考):


分類: バルブ用語 > (1)名称に関する用語 > (k)自動制御弁

番号: 11004

用語: 真空調整弁

定義:
大気圧より低いある一定圧力に保持する調整弁。

対応英語(参考):
vacuum regulating valve

慣用語(参考):


分類: バルブ用語 > (1)名称に関する用語 > (k)自動制御弁

番号: 11005

用語: 背圧弁(※2)

定義:
一次側の流体圧力を、ある一定圧力に保持するため、一次側圧力の変化に応じ流体を放出する調整弁。
背圧弁
背圧弁

対応英語(参考):
back pressure regulating valve

慣用語(参考):


(※1)
減圧弁に関連するJIS規格には、以下などがあります。

JIS B 8372-1
空気圧−空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁−第1部:供給者の文書に表示する主要特性及び製品表示要求事項

JIS B 8372-2
空気圧−空気圧用減圧弁及びフィルタ付減圧弁−第2部:供給者の文書に表示する主要特性の試験方法

JIS B 8410
水道用減圧弁

JIS B 8652
比例電磁式減圧弁及び比例電磁式リリーフ減圧弁試験方法

上記の、JIS B 8410(水道用減圧弁)では、主に温水用熱交換器の給水に用いる逆流防止機構を内蔵した給水一次側が最高使用圧力750kPaの水道用減圧弁について規定されています。
この規格は、労働安全衛生法に基づく労働省令ボイラー及び圧力容器安全規則の規定外の給湯及び暖房用温水ボイラの給水に用いる水道用減圧弁の安全性と信頼性を確保することを目的として制定されているJISです。

水道用減圧弁において用いられる用語として、以下の用語説明があります。

a)一次側圧力
弁箱の入口側圧力又は弁箱に近い入口側配管内の圧力。

b)二次側圧力
弁箱の出口側圧力又は弁箱に近い出口側配管内の圧力。

c)設定圧力
一次側に所定の圧力を加え、二次側を閉じたときの二次側圧力。

d)開放流量
一次側圧力を規定の圧力に保持し、二次側を開放したときの流量。

e)圧力特性
二次側を閉じたときの、一次側の圧力変化に対する二次側の圧力。

f)一般用
弁内の水を抜き、凍結による破損等を防止する機構をもたないもの。

g)寒冷地用
弁内の水を抜き、凍結による破損等を防止する機構をもつもの。

水道用減圧弁の構造としては、作動が確実であり、かつ、耐圧性能及び耐久性能をもち、容易に破損・変形・水漏れなどがあってはらない構造とし、以下の図のような構造が例として示されています。
水道用減圧弁の構造図(例)
水道用減圧弁の構造図(例)

上の構造図における構成部分の名称は以下になります。
?.調節ねじ
?.調節ばね
?.ダイヤフラム(ダイアフラム)
?.弁箱
?.弁体
?.逆流防止弁

水道用減圧弁における圧力調整機構は、調節ばね、ダイヤフラム(ダイアフラム)、弁体などで構成され、一次側圧力が変動しても、常に二次側圧力を保持できる構造となります。

(※2)
背圧弁は、減圧弁が二次側の流体圧力(弁箱の出口側圧力)の圧力をある一定の圧力に保持しようとするバルブであるのに対し、一次側の流体圧力(弁箱の入口側圧力)を一定に保つためのバルブです。
背圧弁は、一次側の流体圧力をある一定の圧力に保つために、設定した圧力よりも大きな圧力になると、バルブを通してその圧力を外へ逃がす機構をもつことから、リリーフバルブ(逃し弁)の一種とも言えます。